最高裁判所における裁判官は長官1人及び判事14人の合わせて15人となっています(裁判所法5条1項3項)。15人の出身は特に決められておらず、運用に任されています。現在は、裁判官出身者が6名、検察官出身者が2名、弁護士出身者が4名のほか、行政官出身者が2名、大学教授が1名となっています。この出身によって法的判断が異なることが少なくないので、各裁判官の出身母体を頭に入れておくことは重要だといえます。例えば、6月の国籍法違憲判決において憲法違反の判断に反対したのは、行政官出身の2人の裁判官と検察官1名の3名でした。
最高裁の裁判官の定年は70歳ですから(裁50条)、70歳の誕生日の前日に退官することになります。例えば島田仁郎長官は昭和13(1938)年11月22日生まれであるので、平成20(2008)年11月21日に退官する予定となります。再来月には新たな最高裁裁判官が任命されることになります。
同様に横尾和子裁判官も、平成23(2011)年4月13日まで勤めることができますが、今月で依頼退官するそうです。この方は、わが国2人目の女性最高裁裁判官ですが、出身母体は行政庁(旧厚生省)です(高橋久子裁判官も行政官でした)。最高裁は明らかにしませんが、社会保険庁の長官も務めていたことの責任をとって辞職すると考えるのが自然だと思います。年金問題で騒がれていた昨年から批判も多かったようですしね。
最後の大法廷での仕事は、行政計画に処分性を認めることができるか否かが争点となっている浜松市の事件だと思います。従来までは、「一定の法状態の変動を生じさせるものではない」ことを理由に行政計画には処分性が認められないとする判断が最高裁の見解でしたが(最判昭57・4・22民集36-4-705)、今回判例変更の可能性が非常に高いです。最後に横尾裁判官がどのような判断をするのか楽しみです。


by mochizuki
名古屋高判平20年4月17日判例…